美容師として、経営者として。
ONLY.に込めた想いと、これからの展望。
Takuya Yoneyama / Owner & Stylist
スタイリスト歴: 11年
専門: バランス型スタイリスト
理念: お客様にとっての"only one"、唯一無二の存在
「美容師になろう」と決めたのは、高校3年のとき。父が理容師だったこともあり、他にやりたいことが見つからなかったというのが正直な理由です。ただ、当時の僕にとって美容師という仕事は、キラキラしていて、華やかに見える職業という印象でした。
専門学校に進むと、想像とは違い、想像以上に厳しい世界が待っていました。それでも、もともとものづくりが好きで、手先も器用な方だった僕にとって、技術を学ぶことはとても楽しく、全国大会にも出場できた経験は、今でも美容師という道に進んで良かったと感じられる大きな自信になっています。
卒業後は「美容師をやるなら東京」と思い、地元・群馬から上京。しかし、最初のサロンはわずか1ヶ月退職。東京、そして美容室というものの厳しさを目の当たりにし、社会人1ヶ月で挫折。地元に戻ってからも転職を繰り返す日々が続きました。
理想ばかりを追い求め、自分自身を曲げることができず、辞めるか続けるか、何度も悩んだ時期があります。そんなとき、母から言われた一言が心に残っています。
「お前の人生って中途半端だよね」
その言葉に気づかされたと同時に正直腹が立ちました。その気づきと苛立ちが原動力になり「ちくしょう、見てろよ」という気持ちで、もう一度立ち上がることができたんです。
きっかけはコロナ禍。時間ができたことで、これから自分がどう生きていくかを深く考えるようになりました。そんな中でも、自分を信じて通い続けてくれるお客様がいて「米山さんがいなくなったら困ります」「何もできない中で髪の毛だけでも綺麗にしたい」何度も挫けそうになったとき「この人たちのために、自分の想いを形にしたい」と強く思ったんです。
僕が目指したのは、美容室らしくない美容室。髪を切るだけの場所ではなく、ライフスタイルごと発信するような場所です。お客様にとっての"only one"、唯一無二の存在になりたい。そんな想いから、店名を「ONLY.」と名付けました。
僕自身の美容師としてのあり方は、「特化型」ではなく「バランス型」です。今はブリーチやショートなど、特定の技術に特化する美容師さんも多いですが、僕は全ての技術で80点以上を取れるように意識しています。一人のお客様の悩みは、その都度変わるからこそ、幅広く対応できる力が必要だと思っています。
また、髪の毛を綺麗にするには、髪だけにアプローチするのではなく、生活習慣や食事、睡眠、ストレス、そしてマインドまで含めた"内側"にも目を向ける必要があると考えています。お肌のケアと同じで、どんなに外から高価なトリートメントをしても、内側の栄養が不足していれば意味がない。
そして何より、美容師として"信頼される存在"でありたい。人として好かれることも大事ですが、それ以上に、技術と知識で選ばれる職人でありたい。「あなたが言うなら間違いない」と言ってもらえること。それが、自分の努力の成果だと信じています。
僕の理想は、ジャンルにとらわれない"トータルな美の発信"カルチャーをつくること。美容室であると同時に、カルチャーが混ざり合う空間。「また面白いことやってるな」と思ってもらえるような、飽きられない店。
そして、来てくれたすべてのお客様にとって、「ここに来れば何かがある」と思ってもらえる"特別な居場所"を、これからもつくり続けていきたいと思います。